text&photo by kyosuke yamauchi(Minamisanriku)
 




一心不乱に町の復興に携わる兄弟がいる。伊藤聡さんと孝浩さん。南三陸で生まれ育ち、一度は故郷を離れながらも震災後再び帰郷し、それぞれの形で町の再建に奮闘している。兄の聡さんは高校を卒業後、専門学校を経て仙台市内にてアニバーサリープランナーの仕事に携わっていた。人を喜ばせるのが好き、そしてようやく辿り着いた大好きな仕事、その最中に震災を体験する。震災直後の混乱の中、故郷に戻れたのは震災から1週間後だった。ガソリンも満足になく何処もかしこも給油制限、物資を集めながら帰れる程度のガソリンを1週間かけて集めた。ようやく辿り着いた故郷を見て頭が真っ白になった。消失した町はまるで違う場所にしか見えなかった。いてもたってもいられず、彼は大好きだった仕事を辞め地元に戻る決断をする。そして南三陸町観光協会の一員として様々な事業に携わる事になる。「今の自分がいるのはこの町のおかげ、何でもいいから町の力になりたい。今ではこの景色も人も何もかもが愛おしくて仕方がないんです」そう語る彼の目は驚くほど輝いている。弟の孝浩さんは、関東の大学院を卒業後、大手外食チェーンに入社。中国青島の工場に駐在員として赴任していた最中にあの震災が起きた。彼もまた故郷の状況を嘆き、やがて帰郷する決断をする。自分にできることは何か、東京のパートナーと準備を進め、家族で経営する漁師や商店を応援するショッピングサイトを立ち上げた。商品だけでなく造り手の顔が見えるサイトは、今でも再建へ向かう生産者の発信の場になっている。「近い将来、町民参加型のメディアを作りたい。一人一人が町づくりに参加できる情報発信の場を作っていきたいんです」。彼等に共通する事は、自らの生涯を復興と共に歩んでいく決意にある。各々の道を歩んでいた最中、図らずも未曾有の被害を受けた故郷を目の当たりにし、二十代で下した決断。未来を担う若者達、その笑顔は晴れやかで明るい。  






①写真左から、伊藤聡さん(32) 伊藤孝浩さん(31)兄弟。南三陸ポータルセンターにて。
②兄弟共に一番好きな場所だと語る南三陸町歌津長須賀海岸の風景
③観光協会が事務局となり、地元高校生や地域を巻き込んだイベントをサポートしている。
④観光協会では国際交流も積極的に行う。昨年は10ヶ国以上のインバウンド事業も行っている。
⑤弟の孝浩さんが運営する通販サイト「南三陸deお買い物」。南三陸町の様々な商品を購入することができる。

「南三陸町観光協会」
www.m-kankou.jp
「南三陸deお買い物」
www.odette-shop.com