text&photo by kyosuke yamauchi(Minamisanriku)
 




未曾有の災害は、間接的に人の人生の方向性を変える事がある。3月11日、東京都出身の三浦慈愛さんはいつものように都内のオフィスでWEBコンサルタントとして従事していた。大きく揺れる高層ビルと混乱する街。度重なる余震、大規模な計画停電、仕事もまともに進まない状況が続く中、彼女の中で何かが少しずつ変わって行く。キャリアを積み精力的に働いている自分、かたや災害により一瞬にして家も仕事も失う事があるという事実。ひとりで考えれば考えるほど眠れない夜が続いた。「自分が本当にやりたい事をやろう」東北とは無縁だった彼女の人生は自然と被災地へと向かって行く。震災から1年が経とうとしていた冬、ボランティアとして携わった南三陸の小さな漁港で、奮闘する漁師達と出会った。「はじめて南三陸を訪れた時、本当にひとつの町がなくなったんだと只々そう思いました。でも冬の真っ青な空と海が驚く程キレイだった。」初めて食べた牡蠣の味に驚き、1年足らずで復活した牡蠣の生命力と漁師達の切実な生活を目の当たりにする。「手伝ってほしい」そう言われた彼女はボランティアセンターに住み込みワカメの養殖作業に携わる。人と人が直接関わる事で生まれる感動や気持ちは、コンサル時代味わった事のないものだった。人の温かさや強さ、乗り込んだ漁船から見る朝日。南三陸の海と人を見て元気をもらい、人間らしさを取り戻したのかもしれないと語る。現在彼女は月の半分を南三陸町で過ごす。知人宅に住み込みながらかつての経験を活かし特産品を販売するウェブショップに携わる。この海の豊かさをたくさんの人に伝えたい、それが彼女の想いだ。空いた時間は飲食店の手伝いにも出かける、そして半月後また帰って行く。町の大半が被災した南三陸ではこうした人達が住む場所もままならいのが現状だ。  






①東京都出身の三浦慈愛さん。
②彼女が大好きだと語る南三陸内湾に浮かぶ島「荒島」。島の頂上には神社がある。
③ギンザケの選別作業。漁師に同行し手伝いながらweb販売のための取材を行う。
④早朝5時、漁師のメカブ刈作業を手伝うため漁船に同行した時の朝日が今でも焼き付いているという。
⑤彼女が携わっている南三陸の海産物を販売するウェブサイト「南三陸物産市ごえん」。四季を通じた旬の海産物が手に入る。漁師の元から直送される海の幸が人気だ。

「南三陸物産市ごえん」
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