text&photo by kyosuke yamauchi(Minamisanriku)
 




東日本大震災後、様々な被災地に建設されたプレハブの仮設商店街。その中で南三陸中心部に位置する「さんさん商店街」は、仮設商店街としては異例の年間23万人という来客数を誇る。商店街には約100名が食事を楽しめる屋根付きのフードコートをはじめ、それを囲むように飲食店が軒を連ねる。中でも人気の飲食店がこの「旬菜旬魚はしもと」だ。もはや南三陸名物となった「キラキラ丼」をはじめ、十数類もの創作海鮮丼が楽しめる。考え抜かれた華やかな盛り付けの海鮮丼は、特に女性客に評判が高い。主人である及川さんが料理の道を志したのは高校生の時。震災時は自分の店を持つ夢を諦めたが、商店街へのオファーが舞い込んだ時に再度決心したという。またこのお店のもうひとつの魅力はその内観にある。仮設店舗を全く感じさせない落ち着いた雰囲気の店内は、全てスタッフや友人達と手作りしたという。こだわりの内装、静かにJAZZが流れる店内で新鮮な海鮮丼を堪能できる。そこにはある思いがあった。「仕事場が仮設。家へ帰って一息つくのも仮設。どこへ行ってもこの町は仮設ばかりで気が滅入ってしまう。食事をする時くらいは、仮設という場所から解放されゆっくり楽しんでほしい。だから内装には特に力を入れました」。夜は地元の人達が旬の魚やお酒を楽しみに集まってくる。震災から4年が経とうとしている今、商店街への客足も少しずつ減少している。2017年にはこの仮設商店街も撤去され、新しい場所での再出発となる。地元の人口が減少してく中、観光客の取り込みは今後の将来を左右する大きな課題となる。「もはや自分のお店の事だけ考えていられない。町全体で力を合わせて南三陸の食材をアピールしていかないと。どうしたらこの場所に魅力を感じ、足を運んでくれるのか、最近はそればかり考えています」。新しい商店街の構想はすでにスタートしている。魅力ある町へと再生するためには、皆で力を合わせ突き進むしかない。  






①南三陸さんさん商店街内で「創菜旬魚はしもと」を経営する及川満さん(40)
②1日最大200食以上も創ることもあるという南三陸名物キラキラ丼。夏はたっぷりと盛られた生ウニ、冬はイクラ丼となる。
③店内は仮設の建物とは思えない落ち着いた雰囲気。カウンターの他、小上がりやテーブルもある。
④夜、地元の人々で賑わう「はしもと」の名物がお刺身盛り合わせ。新鮮さだけでなく、華やかな盛りつけが女性客にも評判だ。
⑤米どころとして有名な地元宮城県の地酒も多数取り揃えている。

創菜旬魚はしもと
11:00-14:00/17:00-22:00
月曜日は昼のみ(火曜定休)