text&photo by kyosuke yamauchi(Minamisanriku)
 




南三陸町中心部にある高台の住宅地に仮設店舗を構える「遊電館」。家電販売・修理の他、太陽光発電パネル設置工事なども手がける町の電気屋さんだ。この場所でパソコン教室「アビバキッズ志津川教室」を運営する菅原さんは、地元の中学と高校を卒業後、町から離れ様々な職を経験し、やがて地元に戻り母親が運営するこの教室を手伝い始める。現在はキッズ部門を一人で引継ぎ全国トップクラスの子供達を輩出し続けている。夕方、教室に子供達が元気にやってくる。そして自ずとPCの前に座り5分間のタイピングを行う。どれだけの文字数を正確に早く入力出来るかの練習だが、打ち終わると現在全国で何位なのかが表示される仕組みになっている。子供達も真剣だ。ここではPCのスキルを教えるのではなく、こうした全国大会という目標を通じ子供達の成長に寄り添っている。特筆すべきはその見事なまでの結果だ。毎年の各部門での入賞者はもちろん、昨年行われた第8回パソコングランプリでは全国約300教室の頂点に立ち、総合優勝という快挙を成し遂げた。PowerPointを使ったプレゼン部門では2カ月半かけテーマに沿い自ら調べ、資料をまとめ、大勢の前でプレゼンを行う。はじめは恥ずかしがっていた子も取り組む度にゼスチャーを加えるほど上達する。度胸やスキルもどんどん身に付いてくる。大人になって役に立たない訳がない。「南三陸の子供達はガッツがあるんです。特に震災後はそれをすごく感じます」。明るく元気な人柄が印象的な彼女は、子供達の成長を目の当たりにする時が楽しくて仕方がないと語る。持ち前のバイタリティーで大会の際には保護者や子供達の飛行機やホテルの手配なども自ら行う。「今の子供達が大人になった時、物怖じせず、自分の考えを的確に伝えられる人間になってほしい。そして、一度町を離れてもこの町に帰ってきたときには、将来の南三陸のために尽力してくれると嬉しいですね」。田舎にいても自分を表現し全国と渡り合える。そんな環境が子供達の糧にならない筈がない。  






①アビバキッズ志津川教室を運営する菅原里衣さん。昨年全国優勝した優勝旗を手に。
②パソコンの前で真剣に向き合う子供達。壁の上にはグランプリ優勝者や入賞者の名前と写真がズラリと並んでいる。
③グラフィックソフトを駆使し作り上げたイラストは大人顔負けの見事な完成度だ。
④プレゼン部門の資料作り。テーマを分析し子供達が自らパワーポイントを駆使し資料を作成している。
⑤高台の住宅街に立つ仮設の教室。現在生徒は26人。授業は1回50分で週1回行う。

アビバキッズ志津川教室
www.avivakids-sizugawa.com